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高尾山古墳を考える:県考古学会が保存声明 会長「工夫で道路と両立を」/静岡

東日本最古最大級の前方後方墳、高尾山古墳(沼津市東熊堂(ひがしくまんどう))を道路建設のため沼津市が取り壊す方針を明らかにした問題で、県考古学会(植松章八会長、会員220人)は23日、高尾山古墳保存を求める声明を同市の栗原裕康市長と工藤達朗教育長あてに提出した。一方、同市議会は同日、保存を求める三つの市民団体が連名で提出した陳情を2委員会合同で審議したが、結論は出なかった。

県考古学会の声明は、21日に静岡市内で開いた総会で全会一致で決議した。学会が遺跡保存を求める声明を決議したのは、約20年前に磐田市の室町時代〜戦国時代の墳墓「一の谷遺跡」の保存を求めた時以来という。

声明は、高尾山古墳を「最初の『ふじの国の王』となった人物がここに実在したことを示す」「古墳の出現や国家黎明(れいめい)期の見方を少なからず書き換える」と評価。「適切に保存され、活用されることを要望する」とした。

学会は2012年11月にも保存を求める要望書を同市などに提出し、同市教委から「今後も歴史的価値を後世に伝えるための取り組みを続ける」との回答を得た。今回、取り壊し方針が明らかになったため、改めて声明を出した。23日、同市役所で加藤忠彦・市秘書室長に声明を手渡した植松会長は「現状での保存が基本。工夫すれば道路建設と古墳保存は両立するのでは」と述べた。

声明は青柳正規・文化庁長官▽川勝平太知事▽木苗直秀県教育長−−にも郵送した。

◇沼津市議会連合審査会 議論は平行線

市議会の文教消防委員会と建設水道委員会は23日、連合審査会を開き3団体の陳情を審議した。複数の議員から古墳の取り壊しに疑問の声が出たが、市側は従来の説明を繰り返し、議論は平行線をたどった。

殿岡修市議は、「時速60キロの設計速度を低減すれば古墳迂回(うかい)が可能ではないか」と検討を求めたが後藤久・道路建設課長は「安全な通行を確保する責務がある」と検討を拒んだ。川口三男市議は、古墳を国民共有の財産と認識する中で建設を進める根拠を尋ねたが、藤岡啓太郎副市長は「市長は古墳の重要性を認識し『やみくもに道路建設を進めることはない』『関係機関と協議したい』としている」と述べるにとどまった。

一方、渡部一二実市議は「発掘調査は破壊ではあるが能動的な取り組み」とした上で、調査方法を質問。井原正利教育次長は「従来の測量と異なるレーザー測量をし、盛り土の理化学分析も行う」と述べた。

梶泰久・文教消防委員長は「道路構造の関係でやむを得ないから壊すではなく、どのような活用方法があるか検討する時間は十分ある。当局は陳情をしっかりと重く受け止めてほしい」とまとめた。

古墳問題は24日の市議会一般会計予算決算委員会でも議論される見通し。

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