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2017年世界遺産、国内候補きょう決定 宗像・沖ノ島に吉報届くか/福岡

2017(平成29)年の世界文化遺産登録を目指す国内候補に、「海の正倉院」とも称される「宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県宗像市、福津市)が有力視される。国内候補は28日に文化審議会が正式決定する。今月8日に「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録され、来年は「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の遺産登録の可否が決まる。宗像が国内候補となれば、九州・山口は3年連続で世界遺産に沸くことになりそうだ。

◇神が宿る島
「宗像・沖ノ島と関連遺産群」は宗像大社を中心に、4世紀ごろの古代から、現代まで連綿と続く祭祀(さいし)に関わる施設だ。宗像大社は北西約60キロ沖にある沖ノ島(沖津宮(おきつぐう))と、約10キロ沖の大島にある中津宮、本土側にある辺津宮(へつぐう)からなる。

遺産群にはこの3つの宮と、大島にある沖津宮遥拝所(ようはいしょ)、古代から中世まで、この地を治めた胸形(宗像)族ゆかりの新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群(福津市)の計5つの資産で構成される。

中でも、沖ノ島は島全体が田心姫神(たごりひめのかみ)のご神体だとされており、「神が宿る島」とも称される。女性は渡れず、男性も毎年5月27日の現地大祭に入島が約300人に限られている。

沖津宮は入島が厳しく制限されているだけに、大島に、海の先の沖津宮を参拝するための遥拝所が設けられた。

◇海の正倉院
沖ノ島は「海の正倉院」ともいわれる。

島の内部は巨岩と原生林に覆われているが、昭和29年以来、3回にわたる発掘調査の結果、銅鏡や勾玉(まがたま)、装身具などが多数、出土した。中東から伝来したとみられるカットグラス碗(わん)の破片なども含まれ、いかに重要な「信仰の場」であったかが、うかがえる。

約500年間にわたる国家祭祀の変遷がここまで良好な状態で残っている例は、世界にも類を見ないといえる。

出土品のうち約8万点が国宝に指定されており、一部は宗像大社の神宝館(しんぽうかん)で展示されている。

◇盛り上がる地元
こうした歴史的価値の高さから宗像市民の有志は、「沖ノ島物語実行委員会」を作り、平成14年ごろから世界遺産登録を目指して活動を始めた。

やがて、福岡県など行政も巻き込み、21年にユネスコに推薦する国内候補の暫定リストに記載された。

世界文化遺産は各国政府の推薦を基に、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が決定する。ユネスコへの推薦は、毎年1つの国から1件に限られている。

日本の場合、暫定リストから、その年の推薦候補を決定する。

今回、国内候補に挙がっているのは、「宗像・沖ノ島と関連遺産群」のほか、「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」(北海道、青森、岩手、秋田)▽「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」(新潟)▽「百舌鳥・古市古墳群」(大阪)-の計4件となっている。28日に開かれる文化審議会の世界文化遺産・無形文化遺産部会で1件に絞り込む。

福岡県の小川洋知事は今年2月に菅義偉官房長官を、5月には下村博文文部科学相を相次いで訪ね、遺産登録推薦を要望した。

小川氏は27日の定例記者会見で「私たちは専門家会議を通じ、構成資産を分かりやすく説明できるように努力し、十分に準備してきた」と期待を込めた。

宗像大社の広報担当、鈴木祥裕権禰宜(29)は「宗像大社は自然崇拝など神道の原点です。国内の候補決定をきっかけに、日本人が大切にしてきたものを、改めて多くの方々にお伝えしたい。地域の皆さんも遺産群や歴史を誇りに思うようになってきたようです」と、吉報を待ち望む。

九州・山口では来年夏、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎、熊本)の登録が、ユネスコの世界遺産委員会で審議される。

記事のページ:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150728-00000038-san-l40