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高尾山古墳は物部氏の墓? 原・静大名誉教授が仮説/静岡

東日本最古級の古墳の主(あるじ)は誰なのか-。沼津市の道路建設予定地で見つかったことから、一時は取り壊しの危機にあった高尾山古墳(沼津市東熊堂)について、原秀三郎(ひでさぶろう)静岡大名誉教授(81)が古代の有力豪族・物部(もののべ)氏の有力者が埋葬されたとする仮説を打ち出した。築造時期が三世紀で邪馬台国の女王卑弥呼(ひみこ)と重なるため、敵対した狗奴国(くなこく)の有力者とする説もあり、議論になりそうだ。

仮説を主張する原さんは、元沼津市史編纂(へんさん)委員長で下田市在住。高尾山古墳は、二〇〇八年に始まった市の調査で見つかったため、原さんらが〇五年に出した沼津市史に記載はない。高尾山古墳が三世紀の築造と分かり、古典などを手掛かりに仮説を立てた。

原さんは、古墳の主を、物部氏の第六世代である伊香色雄命(いかがしこをのみこと)と推定した。大和王権初期から政権に近く、近畿の河内国周辺を本拠にした。伊香色雄は三世紀の開化、崇神(すじん)両天皇の親族にあたり、大臣として神社制度をつくったとされる。

伊香色雄が活躍した場所は王権中枢の近畿だったが、領地が西は大井川から東は箱根におよんでいたという。とくに駿河湾内奥部にある沼津は交通の要衝で、死後に葬られたとみる。

仮説の根拠は、平安初期にまとめられた物部氏らの系譜を記した文献。高尾山古墳から近江国の土器が出土したことも理由とする。原さんは「古典を虚心に読解し、遺物などの考古学的所見と突き合わせた」と話した。

一方で、中国の歴史書「魏志倭人伝」に「女王卑弥呼、狗奴国の男王卑弥弓呼(ひみここ)ともとより和せず」とあることから、卑弥呼のライバルの有力者の可能性を挙げる人もいる。近畿などの前方後円墳と異なる前方後方墳は東海地方以東に多く、邪馬台国畿内説を前提にした場合、宿敵の狗奴国は東海説が有力視される。だが、狗奴国をめぐり、大和説や熊本説の異論がある。

原さんは十三日、考古学者らが集まり、沼津市で開かれる「狗奴国サミット」で仮説を発表する。狗奴国の研究発表もある。

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http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20160213/CK2016021302000109.html