最新古墳にコーフンニュース

ニュース

【白洲信哉 旅と美】生きた文化、圧倒的な姿(前方後円墳)

前方後円墳は、3世紀中頃から7世紀初頭の間に、約5200基築造された。だが、普段われわれの目にする16万を超える古墳のほとんどは、木々に覆われ、堀などを持たない限り特別に認識することはないだろう。とりわけ898を数える宮内庁管理の陵墓は、「皇室の先祖の安寧と静謐(せいひつ)、静安と尊厳を守る」という国家方針のため、学術的調査が制限されている。発掘の目的というのは、われわれの祖先、過去について正しく、詳しく知ることで、最大の問題は、埋葬者の選定に明らかな誤りがあり、別人が眠っていることである。

数は少ないが、学術的な調査後に、円筒埴輪(はにわ)などを並べ当初の姿に復元した古墳もある。「巨大古墳を発掘するには、多大な時間と費用がかかる」という議論も承知しているが、たった50年で壊してしまう競技場に、巨費が投じられようとしているではないか。大仙古墳(伝仁徳天皇陵)に代表される巨大な前方後円墳は、5世紀そのままの形をいまに伝え、圧倒的な威容を誇っている。これこそ現在進行形の、生きた文化の姿で、単なる墓ではなく、世界でも一級の建造物として、ずらりと並んでいま目の前に見えているはずなのだ。

記事のページ:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170310-00000522-san-life