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愛媛県歴史文化博物館 県内古墳、最古の写真 明治に英国人撮影、消失の石室克明に 9日まで初展示/愛媛

「日本考古学の父」と呼ばれる英国人、ウィリアム・ゴーランド(1842~1922)が明治期、今治市の2カ所の古墳で撮影した5枚の写真が、県歴史文化博物館(西予市宇和町卯之町)で開催中の「えひめの古墳探訪」で初めて展示されている。県内の古墳を撮影した最古の写真とされ、既に消失した石室の姿を克明に残す貴重な記録となった。

ゴーランドは、明治政府が西欧の近代技術や知識を学ぶために招いた「お雇い外国人」。大阪の造幣局で化学・冶金(やきん)技師として貨幣の製造を指揮した。

お雇い外国人の契約期間は通常3年だったが、1872(明治5)~88(明治21)年の16年間にわたって指導した。余暇は関東から九州までの各地の古墳を調査したほか、登山やボートも指導し、「日本アルプス」の命名者としても知られる。

県内を訪れた記録が残るのは1880(明治13)年10月8日。いずれも県史跡となった6~7世紀の「野々瀬古墳群」(今治市朝倉南)、「多伎神社古墳群」(同市古谷)で古墳や石室の撮影や計測をした。写真を含む詳細な記録は、ロンドンの大英博物館などに保存されている。

多伎神社古墳群の石室については「長さは12フィート9インチ(3メートル89センチ)、幅は奥で6フィート10インチ(2メートル8センチ)、正面で5フィート5インチ(1メートル65センチ)、高さは7フィート8インチ(2メートル34センチ)」などと詳しく記されている。

県歴史文化博物館では訪れた人に石室の大きさを体感してもらおうと、この記録に基づいて、1枚の写真を実物大に引き伸ばして展示している。

企画した冨田尚夫・専門学芸員(47)=考古学=は「二つの古墳群ではこの石室を含む多くがその後、消失しており、極めて重要な資料」と話す。なぜゴーランドがこれらの古墳群を訪れることになったかは分かっておらず、今後の研究成果を待ちたいという。

「えひめの古墳探訪」は今月9日まで。観覧料は高校生以上320円。小中学生と65歳以上160円。問い合わせは同博物館(0894・62・6222)。

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https://mainichi.jp/articles/20170407/ddl/k38/040/607000c