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わが街の学芸員/芝山古墳・はにわ博物館 かつて500基超す古墳/千葉

「はにわ祭」で町が一つに
芝山町では毎年11月、「芝山はにわ祭」が開かれている。現代に降臨した「古代人」と交流し、芝山を人に優しい、住みやすい町にすることを古代人と約束する--というものだ。町民らは、はにわを基に再現した麻の衣装をまとい、町内を行列。1982年に始まり、今年で35回目となる。

「成田空港建設の是非を巡って意見が二分した町で、町民の心を再び一つにする目的で始まりました」。芝山町立芝山古墳・はにわ博物館の学芸員、奥住淳さん(49)が説明する。

同町は成田空港周辺9市町の一つ。のちに国指定史跡となる前方後円墳「殿塚・姫塚古墳」の発掘調査は、56年に始まった。全国的にも貴重な大型のはにわが出土。かつて500基を超す古墳があったとみられる。芝山で出土したはにわは装飾など表現が凝った作りが多く、約1500年前の人々の暮らしと、豊かな造形美や高い技術力が分かる。

発掘調査には多くの町民も参加したが、調査開始から10年後、成田市三里塚が空港建設地に決まった。建設を巡って対立した町民の融和を図ろうと、歴史好きの町民夫婦が古代人の扮装(ふんそう)を始め、祭りの開催を呼び掛けた。

「はにわは地域のアイデンティティー」と奥住さん。大学院まで中世史専攻だったが、94年に町に採用されてから、発掘調査も町史の編さんもした。学芸員は一人のため古代から近現代まで、歴史に関わることはほぼ全て担う。考古学も空港問題も、町職員になってから学んだ。

「地域史を広く総合的に見られる」のは、地域に密着した町立博物館ならではのやりがい。今は歴史を学ぶ意味を「足元を見直すこと」と考えている。

この夏、お薦め図書
「まりこふんの古墳ブック」(まりこふん、山と渓谷社)

古墳好きの「古墳シンガー」の著書。全国の古墳やはにわの種類などを分かりやすく紹介しています。古墳巡りのポイントなど「ファン目線」から書かれていて、愛を感じます。

「もっと知りたい はにわの世界」(若狭徹、東京美術) カラーで写真も多く、ビジュアル的に分かりやすい。はにわの意味や時代背景などを解説していて、基本的なことからさらに一歩踏み込んで知りたい人にお薦めです。

芝山町立芝山古墳・はにわ博物館
芝山町芝山438の1▽電話0479・77・1828▽開館時間=午前9時~午後4時半▽休館日=月曜▽入館料=大人200円、中学生以下100円

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https://mainichi.jp/articles/20170807/ddl/k12/040/136000c