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埋葬施設上を踏み歩くな 松本・弘法山古墳、柵で明示へ/長野

県内最古の古墳である松本市並柳の国史跡・弘法山古墳(前方後方墳、全長六十六メートル)で、墳頂部の埋葬施設上を踏み歩く人が絶えない問題に関し、市教委は、施設を鉄製の柵で囲んで明示した上で、遺体を埋葬した大切な場所であることを解説した案内盤を設置することを決めた。文化庁は施設の存在を周知する必要性を指摘しており、市教委は、十月にも荒廃した墳丘の環境整備も含めて工事を始める計画だ。

弘法山古墳は、市街地南東部の中山丘陵突端部に造られた古墳時代前期(三世紀末)の古墳。

一九七四年の発掘調査で、後方部中央の竪穴式石室から半三角縁四獣文鏡(さんかくぶちしじゅうもんきょう)や銅鏃(ぞく)、鉄剣、鉄斧(てっぷ)、ガラス小玉などが出土し、石室上部からは、赤く塗られて底に穴を開けた壺(つぼ)や高坏(たかつき)などの特殊な土器も発掘された。七六年に国史跡に指定された。

古墳からの眺望は素晴らしく、北アルプスの山並みを背景に松本平が一望できる。古墳の裾に植えられた約四千本の桜も見事で、毎年大勢の花見客が訪れるが、大半が埋葬施設と気付かぬまま墳頂部を歩き回っているのが現状だ。

墳頂部にたばこの吸い殻が投げ捨てられたり、犬のふんが放置されたりとマナーの悪さも目立ち、市内の男性(77)は「散歩でよく来るが、七月末には墳頂部に火をたいた跡があった。ビールの空き缶も散乱し、残念です」と嘆く。

文化庁記念物課の文化財調査官は「埋葬施設の存在を正しく知ってもらうことが大切」としており、市教委は、同庁に史跡の現状変更申請の手続きを取り、案内盤の設置と墳丘の整備計画を進めていた。

埋葬施設は、墳頂部中央の縦約二メートル、横五メートル余のエリアにこぶし大の石を敷き詰めて表示している。その外側の縦約六メートル、横約八メートルには長径約二十センチの石を敷いているが、埋葬施設であるとの説明盤が墳丘の隅にあって分かりづらかった。

市教委文化財課の担当者は「石敷きの外周に鉄柵を設け、前面に新しい案内盤を置く。被葬者への敬意を持って、中に踏み入れないようにお願いしたい」と話している。

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