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古墳マニア集うバル…存在“発掘”され人気/福岡

古墳好きの女子大学生が週末限定で開く北九州市小倉北区香春口のバー「こふんバル」が、マニアたちに人気だ。

遺跡の発掘調査に携わる専門家から初心者まで、太古のロマンを肴に盛り上がっている。

「曽根平野は前方後円墳が多いよね」「苅田町の大型の古墳は登れるんだよ」

週末の夜にバーをのぞくと、店を切り盛りする北九州市立大地域創生学群3年の三嶋愛さん(21)が、カウンターをはさんで客と古墳談議に花を咲かせていた。

大学入学時から「歴史好きな人たちに出会えれば」と出店を計画。アルバイトでためた資金で食器類を買いそろえ、今年5月末、地元の起業家を支援する小規模商業施設「comichiかわらぐち」に店を構えた。1階はカウンターの5席、2階は4人掛けの3テーブル。営業は毎週金、土曜の午後7~11時で、他の曜日は店舗を共有する別のカフェが営業している。

三嶋さんが古墳好きになったのは、中学2年の頃。苅田町の「雨窪古墳」を家族と訪れた際、こんもりとした姿がかわいらしく思えたという。以来、国内最大の「仁徳天皇陵」(堺市)、極彩色の壁画が残る「高松塚古墳」(奈良県明日香村)など全国約100か所を巡ってきた。

バーの存在が“発掘”されると、口コミで古代史ファンが集まるようになった。

営業日は、店内をこだわりの空間に彩る。埴輪や銅鏡の置物を飾り、これまで巡った古墳の写真のアルバムや郷土史家が編集した歴史本を並べる。スピーカーは前方後円墳の形をした特注品だ。

自らも古代人をイメージしたファッションに身を包み、客を迎える。人気メニューの「古墳カレー」(700円)は、前方後円墳の形にご飯を盛っている。

常連客の一人で、郷土史を研究している小倉南区の医師木村公憲さんは「共通の趣味を持った人たちが集まるので、自然と会話も弾む」と喜ぶ。

営業は就職活動に本腰を入れる来年1月末まで。三嶋さんは「交流が生まれる瞬間に喜びを感じる。地域の歴史や文化に興味を持つ人が増えたらうれしい」と話している。(山根秀太)

◆近所に意外とたくさん…北九州に550基、苅田に400基

北九州市周辺には見学できる古墳も多い。

市芸術文化振興財団の埋蔵文化財調査室によると、市内では紫川流域や小倉南区の曽根地域などに約550基の古墳が確認されている。苅田町でも約400基が見つかっており、曽根地域から同町にかけての国道10号沿いは「古墳銀座」とも呼ばれている。

北九州・京築地域で最大級の前方後円墳は、同町の国史跡「石塚山古墳」「御所山(ごしょやま)古墳」だ。石塚山古墳は町役場の隣にあり、全長約130メートル。古墳時代前期の3世紀末~4世紀初めに造られたとみられる。出土した銅鏡や玉類などは、町役場に併設する歴史資料館で見られる。

全長約120メートルの御所山古墳は、周囲を仁徳天皇陵のような水堀が囲む。畿内から伝わった様式で、大規模古墳が全盛だった古墳時代中期に造られたとされる。

八幡東区の「いのちのたび博物館」では、小倉北区の市指定史跡「一本松塚古墳」の石室が再現され、中に入ることができる。石室の奥は高さ2.5メートル、広さ2畳ほどで、壁には赤い文様が描かれている。

埋蔵文化財調査室の佐藤浩司室長は「敷居が高そうだと敬遠せず、古墳ワールドに足を踏み入れてほしい。まずは近所にある古墳を調べてみては」と呼びかけている。

記事のページ:
http://www.yomiuri.co.jp/culture/20171126-OYT1T50004.html