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「古墳の里」でタイムスリップ 芝山町/千葉

成田国際空港の南にある千葉県芝山町。県道62号(通称、芝山はにわ道)を南下すれば、沿道のあちこちで埴輪(はにわ)像が出迎えてくれる。同町は様々な古墳群が街中にちらばる「古墳の里」だ。

町が一躍有名になったのは、1956年。発掘調査で殿塚、姫塚両古墳から、全国でも最大級の人物や動物の埴輪が列状に並んで出土した。早稲田大学文学学術院・城倉正祥准教授は「当時の生活がわかる古墳時代の文献は存在しない。1400年前の人たちの姿を埴輪を通じて目の当たりにできた点が、多くの人々を魅了したのでは」と話す。

町立の芝山古墳・はにわ博物館は町周辺の古墳群からの出土品を展示する。よろいかぶとをまとった武人、馬具をつけた馬、住居跡。埴輪や土器など約250点は古代の暮らしぶりや技術を知る貴重な史料でもある。

88年の開館以降、来館者数は年間約1万人。小学校の社会科学習に使われることもある。米カリフォルニア州のジョイス・パターソンさん(77)は義理の孫娘と来館。「古代の人が埴輪のような表情をしていたか、あの時代に戻って確かめたい」と興味津々の様子で話した。

かつて町は空港建設を巡り、賛成、反対で二分。町民有志が82年に企画した「芝山はにわ祭」が融和につながり、今は街おこしにも一役買う。

3世紀後半~7世紀に地域を治めた王や豪族が造ったとされる古墳。解明しきれない多くの謎が古代へのロマンを駆り立てるゆえんでもある。

学芸員の奥住淳さん(49)は「はるか昔の古墳や埴輪が、実は我々とつながっていること、そして命をつないで今の社会があることを意識してもらえれば」と思いを込める。数々の古墳は、「命の連鎖」という、時代を超えても変わらぬメッセージを我々に残しているのかもしれない。

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24736060W7A211C1CC0000/