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藤ノ木古墳 石室、今秋公開見送り 劣化防止と働き方改革 斑鳩/奈良

金銅製馬具など豪華な副葬品(国宝)で知られる国史跡・藤ノ木古墳(斑鳩町法隆寺西2)の石室特別公開を、2008年から春秋2回(原則計4日間)続けてきた町教委は、今秋の公開を見送ることを決めた。石室内部の劣化を抑えると共に、多忙な担当職員の負担を軽減する「働き方改革」の一環という。

藤ノ木古墳は6世紀後半の円墳。1985~88年の発掘調査で、横穴式石室(全長約14メートル)や、朱に塗られた刳抜(くりぬき)式家形石棺(二上山の凝灰岩製)から、装飾性豊かな馬具をはじめ刀剣、ガラス製玉など副葬品が多数見つかった。石棺は未盗掘で、合葬された2体の人物が埋葬当時の状態で見つかり、注目された。

石室のひび割れ補強や、石室入り口から石棺近くまでの見学デッキ(長さ約8・4メートル、幅約1メートル)整備などが08年春に完了。石棺の約2メートル手前まで近付けるとあって人気を集め、初公開の08年5月は4日と半日で7365人が訪れた。その後は、東日本大震災直後の11年春を除き、原則として春の大型連休中(4~5月)に2日間、10月末か11月初旬に2日間公開。町の集計では、今春までに計44日間公開し、延べ4万1615人が見学した。

町関係者によると、石室内部に入れるのは1回に10~15人。その度に担当職員が古墳や石室について説明しており、負担は小さくなかった。特に秋の公開は相乗効果を狙い、斑鳩文化財センターの企画展や町の文化芸術イベントと同時期開催で、準備を含め負担が過大だったという。

また、見学者は春より秋が少なく、天候にも左右されるが、14年は春2188人に対し、秋は半分の1099人。16年は春1904人に対し、秋は1344人だった。公開当初の「藤ノ木ブーム」が落ち着き、見学者は減少傾向だった。

保護中心だった文化財を活用する方向にかじを切る文化財保護法改正の動きを先取りする形の「歴史を体感してもらう」取り組みだったが、昨秋の町長交代後の業務見直しの一環で、今秋の公開を試行的に見送る決断をしたという。

町教委の担当者は「電話などで問い合わせがあれば、秋の公開はないことを伝えている。夏ごろにはホームページにもその旨を掲載したい。来年度以降については、さまざまな反応を見てから判断する」と話している。

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https://mainichi.jp/articles/20180526/ddl/k29/040/525000c