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新沢千塚古墳群 600基、多彩な形実感/奈良

奈良県橿原市の新沢千塚古墳群(国史跡)は、全国でも有数の群集墳の一つだ。群集墳とは、ある範囲に密集して小さな古墳が造られることで、新沢千塚古墳群は丘陵地に約600基の古墳があり、史跡指定地に約400基が密集する。古墳群を子どもの歴史教育に活用してもらおうと、近くの歴史に憩う橿原市博物館が取り組みを進めている。

5月中旬、和歌山市立山口小学校の6年生が校外学習で新沢千塚古墳群を訪れた。「ここから見える数十個のポコポコしている小さな山は、全部古墳です」。博物館の松井一晃学芸係長(42)が古墳群の前で児童に伝えると「えー!」「マジで」という声が上がった。

松井さんはさらに、古墳群には円形や長方形、鍵穴など様々な形の古墳があり、棺には武器や装飾品も一緒に埋葬されていたことなどを説明。約1時間半かけて古墳群を巡った。

児童らは古墳群の見学前に、博物館で本物の和同開珎(わどうかいちん)や土器に触ったり、土器の復元に挑戦したりしていた。谷口蒼空(そら)さん(11)は「土器に初めて触れたのがうれしかったです」。笠井速斗さん(11)は「身分の違いで古墳の大きさや特徴も違うなんて知りませんでした」と笑顔で話した。

「古墳の形の違いや、土器の質感など、体験してもらえれば子どもたちの印象に残る」と松井さんは言う。校外学習の間は、必ず職員が立ち会い、子どもの質問に答える。こうした取り組みが評判となり、新沢千塚古墳群を訪れる学校が増えている。

後日、改めて松井さんに古墳群を案内してもらった。道路を挟んで、北群と南群がある。近年、南北にそれぞれ約2キロの遊歩道が整備された。

まずは北群へ。ガラス皿や金製指輪が見つかった126号墳は、ほかの古墳と比べても小さい。「目立たなかったからこそ、盗掘を免れたのかもしれません」と松井さん。円墳、方墳に前方後円墳とあらゆる形の古墳があり、見て回るだけで楽しくなる。

松井さんのおすすめの場所が、北群に隣接する市の交流施設「シルクの杜(もり)」の屋上だ。無料の足湯があり、散策に疲れた足をいやしてくれる。さらに御所・葛城の古墳群を一望できる見晴らしの良さも魅力的だ。南群には、産地直売所「新沢千塚ふれあいの里」があり、カフェで軽食もとれる。夏には子ども向けの公園も完成する予定だ。

古墳群を歩いていると、様々な花が植えられていることに気がつく。現在はササユリが見頃で、これからアジサイが咲き始めるという。古墳巡りの際はカメラを持っていくと、より楽しめるだろう。

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