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赤坂天王山古墳 80年ぶり測量、成果報告 小規模で10基/石棺にベンガラ朱… 桜井市教委/奈良

古代に暗殺された崇峻天皇(在位587~92年)が葬られたとの説がある桜井市の「赤坂天王山古墳」で、市教委などがおよそ80年ぶりとなる測量調査を実施した。三次元計測機で石室を精密測定してデータを収集したほか、周辺で新たに小規模古墳を確認するなど、古墳に新たな光を当てる研究成果となった。

市教委文化財課の橋本輝彦課長が中心になって調査し、22日に市文化財協会が公表した報告書に結果が掲載された。

従来、1辺45メートルの方墳とされてきたが、北辺の約50・5メートルに対し、南辺は約43・2メートル、東辺の約46・5メートルに対し、西辺は約47メートルと北から南側にすぼまる形になっていることが判明した。

墳丘は3段に築成されているが、造成するために西南角と東側に基壇が設けられていた。赤坂天王山古墳を造るために周囲にあった古墳2基の一部が削られたとみられることも判明。周囲から新たに小規模の古墳が10基程度見つかった。

石室は全長15・3メートル以上で、玄室の高さは4・2メートル以上、幅は3~3・2メートルだった。刳抜(くりぬき)式家形石棺の一部にベンガラの朱が微量に付着しているのも見つかった。

日本書紀などによると、崇峻天皇は592年に蘇我馬子の命を受けた暗殺者に殺され、「倉梯岡陵(くらはしのおかのみささぎ)」に葬られたとされる。赤坂天王山古墳が「倉梯岡陵」とする説もあるが、1889年に約1・7キロ離れた古墳が崇峻天皇陵として治定されている。同古墳は「終末期古墳」と呼ばれるタイプの古墳のモデルとも位置づけられている。

大阪府立近つ飛鳥博物館の白石太一郎・名誉館長は「被葬者が崇峻天皇とは断定も否定もできない」とした上で、「赤坂天王山古墳は終末期の基準となる重要な古墳で、大王級墓であることは間違いない。精度の高い測量がなされた意義は大きい」と話している。

報告書は1部3000円で販売する。問い合わせは市文化財協会(0744・42・6005)。

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https://mainichi.jp/articles/20180623/ddl/k29/040/512000c