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埋蔵品の劣化 原因究明/京都

◇京大「模擬古墳」…制御法確立へ温度・湿度影響調べる

京都大の小椋大輔教授(建築環境工学)らのグループが、古墳の埋蔵品を劣化から守る方法について研究している。実験に使うのは、桂キャンパス(西京区)にある「模擬古墳」。地下に竪穴式石室を掘り、古墳内の環境を再現した珍しい施設だ。(林華代)

模擬古墳は、縦1メートル、横3メートル、深さ1・7メートル。小椋教授らが2014年に造った。埋蔵品に見立てた青銅や鉄の破片を施設内につるし、温度や湿度などの変化が劣化に与える影響を調べている。

研究に着手したのは、1972年に奈良県明日香村の高松塚古墳で極彩色壁画(国宝)が見つかったことがきっかけだ。発見後、壁画は劣化が進み、別の場所へ移すために石室を解体せざるを得なかった。壁画の調査や修理を並行して行う作業員の出入りなどで石室内の温度が上昇し、さらに劣化が進行するという問題が発生した。

石室解体の空調管理に関わった小椋教授は「前代未聞の作業で、何が起きるか想定するのは難しかった」と振り返る。

模擬古墳での実験を通じ、金属を劣化させる結露は夏は床付近で、冬は天井付近で発生しやすい一方、温度については逆に夏は天井付近、冬は床付近で高くなることなどがわかってきた。小椋教授は、古墳内の温度上昇を防ぐため、日射を遮るネットを地表面から離して設置することなどを自治体に提案しているという。

近年、愛媛県今治市や徳島県石井町、宮崎県えびの市などの古墳が未盗掘だったことが判明し、今後の発掘成果に期待がかかる。小椋教授は「高松塚のように貴重な埋蔵品が発見された場合に備え、古墳内で劣化を制御する方法を確立したい」と話している。

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