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日葉酢媛陵の遺物なし 奈良博所蔵の「北和城南古墳出土品」、橿考研調査/奈良

大正時代に起きた日葉酢媛(ひばすひめ)陵(奈良市、宮内庁管理)の盗掘事件に関連した遺物として、奈良国立博物館に所蔵されている鏡や鍬形石(くわがたいし)などの「北和城南古墳出土品」(計71件)について、橿原考古学研究所の研究員らによる研究成果の報告書が刊行された。出土品に同陵の副葬品が含まれている可能性があるとされていたが、橿考研の研究者らは「日葉酢媛陵の遺物はなかった」と結論づけた。

日葉酢媛陵は大正5年に2度盗掘され、鏡や石製品などの副葬品が売りさばかれた。だがその後、犯人19人が逮捕され、副葬品は回収、埋め戻された。同じ時期、この盗掘団が奈良と京都の別の古墳で犯行に及んだ際の関係品を「北和城南古墳出土品」として、奈良博が長らく未調査のまま保管。その中に同陵の副葬品があるのでは-との憶測があった。

調査したのは、橿考研の高木清生(きよみ)主任研究員ら3人。法務省に残る当時の裁判記録を詳しく調べ、記された遺物の出土地の地名から、県内と京都府内の10基以上の古墳を特定。遺物の中に日葉酢媛陵の副葬品がないことを確認した。

一方で、71件のうち出土地が分かった遺物の中には、不退寺裏山2号墳(奈良市)の鏡や、歌姫猪谷古墳(同)の鉄刀などの県内関係品があるほか、京都府関係では興戸2号墳(京田辺市)の鏡と鍬形石、尼塚4号墳(城陽市)の鏡と管玉などが含まれている。

高木主任研究員は「それぞれの遺物の出土地が分かったことで、今後、地域の古墳の研究資料として奈良博の資料を活用することができると思う」と話している。

報告書は由良大和古代文化研究協会の研究紀要(第22集、1700円)で、橿考研付属博物館ミュージアムショップで販売されている。

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https://www.sankei.com/west/news/180828/wst1808280024-n1.html