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直弧文の紡錘車出土 糸島市の神在横畠遺跡、県内で2例目 5世紀後半祭祀に使われた可能性も/福岡

糸島市教育委員会は28日、同市神在の神在横畠(かみありよこばたけ)遺跡で、5世紀後半のものとみられる、県内2例目の「直弧文(ちょっこもん)」が刻まれた紡錘(ぼうすい)車が出土したと明らかにした。紡錘車は棒を回転させて糸をより合わせる際に、重りの役割を果たす。実用品としての出土例は多いが、今回は、魔よけなど呪術(じゅじゅつ)的意味があるとされる直弧文が糸で隠れる上面にも施されていることなどから、市教委は「墳墓の祭祀(さいし)に使われた可能性がある」とみる。

神在横畠遺跡の年代は古墳時代-平安時代。紡錘車は神在横畠古墳(直径23メートルの円墳)から数メートル離れた溝で見つかった。直径5センチの滑石で中心に棒を通す穴がある。上面と側面に直弧文、下面は星形文などが描かれている。他に出土品はなく、厚さ1・2センチと肉厚な点や、同じ直弧文がある久留米市の西行2号墳出土の紡錘車が5世紀後半のものとされていることから、同時期のものと推定した。

直弧文は、古墳時代前期-後期中葉には埴輪(はにわ)や刀剣装具、装飾古墳に多く見られる。組みひもを表現したとみられ、直線や曲線が複雑に絡み合っているのが特徴だ。筑後地方から熊本中部の石棺や石室に描かれており、糸島とこれらの地域の交流も示すという。

神在横畠遺跡の東側には糸島地方の大首長墓とみられる大型円墳「釜塚古墳」(国史跡)がある。市教委の岡部裕俊文化課長は「神在横畠古墳は大首長に随従した有力者の墓で、その祭祀に使われた可能性がある」と指摘する。直弧文の紡錘車は9月1日から同市井原の伊都国歴史博物館で展示する。

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