最新古墳にコーフンニュース

ニュース

前方後円墳で確実 老松場古墳群で説明会/長野

関西大学文学部の考古学研究室(米田文隆教授)と伊那市教育委員会は1日、同市東春近の「老松場(ろうしょうば)古墳群」の第2次調査の成果を示す説明会を現地で開いた。2015年に当時の東春近小学校6年生が測量調査して、前方後円墳の可能性を指摘していた1号墳については「発掘により前方後円墳であることが確実になった」と報告。分かっていなかった葺石(ふきいし)も出土し、築造当時は墳丘の斜面全体に整然と施されていたその姿などから、大和政権があった近畿地方とのつながりが強い有力者の墳墓との見方も示した。

2年目となった今回の調査で、1号墳については5カ所を発掘。葺石の線をつないでいくと前方と後円の接点となる「くびれ部」が明確になった。全長約32メートル、後円部約20メートル、前方部の幅が約10メートル、長さが約12メートルと規模も判明。区画をして下部から順に石を積む工程や、古墳周辺の地表面を削って墳丘の盛り土にしたことも分かった。

米田教授は「見よう見まねでできる技術ではない。近畿地方の古墳と遜色なく石を整えて配しており、より手の込んだ造り」と指摘。同じく発掘にあたった井上主税准教授も「古墳全体に葺石を施すには大量の石が必要。リーダーがいて、その下に築造にあたる人々がいた。当時の社会構造もうかがえる」と説明する。

「伊那市史」によると、同古墳群は古墳7基からなり、6世紀半ばから8世紀にかけて築造。1号墳は双円墳とされている。2015年の児童による測量調査の結果を受けて、同研究室と市教委は昨年度から本格的な調査に乗り出していた。

前方後円墳は上伊那地方では2例目で、古墳の形状から5世紀初めから前半の築造とみられ南信では最古級という。説明会は一般対象にこの日2回開き、多くの人が参加した。

記事のページ:
http://www.nagano-np.co.jp/articles/37825