第一会員イチキ游子の古墳に混乱コラム

第十三回「雨天決行歌謡祭考」

投稿日:2014年10月15日

10月5日、雨。てか台風。

この日、西府にある熊野神社で古墳祭りがあることは知っていた。ゲストでまりこふん会長のライブがあるのだって知っていた。

…だがしかし、雨。てか台風。

やんのまじで?お祭りやんのこの雨で?
窓の外の悪天を見あげてあたくし迷った。出かけていってみるか否か、もやもや考える。

第十三回「雨天決行歌謡祭考」

(…これが小学校の運動会ならば中止の印に屋上に旗が立つところだ。しかし仮に熊野神社古墳のてっぺんに旗を立てられたところで、裸眼視力0.5以下のあたくしが家から30キロ先の神社の祭りの有無を確認するのはどう考えても不可能だ。
いやこれはもう…行くしかない…。たとえ辿り着いた先に待つのが、雨天中止による1000年の孤独だとしても…!さあ行けノンポリ、荷物は最小限にして、長靴を履くんだ!フットワークだけが取り柄のノンポリが意地見せんなら今しかねえ…!!)

などと、いつの間にか1人で始まっていた「スポ根アニメの主人公が県大会あたりで言いそうなモノローグ」ごっこしながら西府行きを決意し、長靴でびしゃびしゃ電車乗って約1時間後、熊野神社古墳に到着。

…フツーにやってた。お祭りやってた。

土砂降りにもかかわらず、熊野神社の境内の集会所には満員どころか外にまで人が溢れていた。ちょうどライブの演者が入れ替わるところで、どうやらあたくし、まりこふんライブにかろうじて間に合ったらしい。

第十三回「雨天決行歌謡祭考」

人波をかきわけて集会所の中に入ったところで、廊下にスタンバイ中のまりこふん会長発見。おなじみの鮮やかゴージャスなグリーンの古代衣装を身にまとった会長と、集会所の畳の部屋に集まった人々の取り合わせは、完全に何か新しい宗教法人の集いのようで壮観であった。

第十三回「雨天決行歌謡祭考」

代表曲「古墳deコーフン!」で突然畳に飛び出し歌い踊るパフォーマンスで、客席の老若男女の度肝を完全に抜いて始まった古墳ライブ。

第十三回「雨天決行歌謡祭考」

サポートのパーカッション・ミノル氏も合流し、「ハニワのブルース」や今回のために作られた熊野神社古墳のテーマソングなど、まりこふん節が余すところなく炸裂。

第十三回「雨天決行歌謡祭考」

客席側も、畳の部屋で座ったままのスシ詰め状態にも関わらず、まるでオールスタンディングのライブハウスのような盛り上がり。
ヘッドバンキングで乗る若い女性たち。ニコニコと手拍子を打ちながら楽しむお年寄りたち。笑顔で頭を揺らす子供たち…。

そんな中、客席の中央でいやに姿勢正しく正座でカメラを構える、昭和の事件記者みたいな人がいると思ったら、うちの伊藤理事長だった。

第十三回「雨天決行歌謡祭考」

ともあれ、熊野神社古墳ライブ・まりこふんwithミノルは、台風の目のごときテンションでアンコールまで走り抜け、とても神社の集会所とは思えぬ盛況っぷりで幕をおろしたのである。 

ライブ終了後、敷地内にある展示館で、楽屋の出演者組と合流。
華やかな古代衣装の会長やミノルさんとみんなで写真を撮りたいじゃないかと思った時、ふとあることを思い出した。
実は去年も参加しているこの古墳祭り、なんと古代衣装の着付けを体験出来るのである。
ホラいま、目の前に古代の人が2人もいて、みんなで写真撮ろうってんだからあなた…

まあ、着るよネー!

というわけで伊藤理事長とあたくしも古代人ぶるべく着付け体験へGO!
めでたく4人の古代人で記念撮影と相成りましたヨ。

第十三回「雨天決行歌謡祭考」

そんなこんなで全てが終わったあと、久々の熊野神社古墳にひとり謁見。
祭りとライブの喧騒から離れたひとけのない境内の最奥で、石に覆われた熊野神社古墳は雨で黒く濡れそぼり、曇天をのんびりと見上げるようにしっとりと佇んでいた。

第十三回「雨天決行歌謡祭考」

『なんか、ワタシのテーマ曲とか…うれしーけど…照れるよネー…』

穏やかな重低音で、そんなハニかんだ熊野神社古墳の声が、聞こえた…気がした…ハムニダ。