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第一会員イチキ游子の古墳に混乱コラム

第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」

投稿日:2016年6月28日

夏風邪がなかなか治らない昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか?
前回、「里見浩太朗主演の忠臣蔵で風間杜夫の内匠頭が切腹したのを、泣きながら見送る近藤正臣」とお伝え致しましたが、正しくは「竜雷太」の間違いでした、お詫びして切腹いたします。
・・・などとおそらく最も読み飛ばされたであろう一文にオタクぶりをアピールしてみたところで、さて、極楽苑30周年記念ツアー、後編である。

どうやら沼津の風神の呪いから解き放たれたらしいあたくしも、ようやく心を落ち着けて古墳巡りに同行できるように。
次なる目的地は「井出丸山古墳」。ここはなんと「はいれちゃう石室」がある隠れ家的古墳である。
ちょっとした山道を歩いて細い獣道を通り、謎のトンネルを通る。折しも快晴の午後、先陣切るまりこふん会長が進むトンネルの向こうはもう何も見えないほど目映い陽光のカーテンで遮られ、マジこのまま会長が千と◯尋に神隠されちまうんじゃないかと思いましたよネー。ネー。

第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」

トンネルを超えてすぐに会えた井出丸山古墳は、穏やかな丸みの可愛らしい円墳。周りは美しい緑と異様なまでに成長した竹林に囲まれていた。

第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」

もちろん約束通り「はいれちゃう石室」もすぐに見つかり、周囲を愛でた後に早速中へゴーの会長と理事長。なかなか石室に入るチャンスもないため、あたくしも到着ギリギリまでは入ってみるつもりだったのだが、実際目の前に立った時点でその入り口の想定外のシャコタンぶりに「中で何と遭遇するかわからん」暗所疑心にかかり断念。

第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」

同じく石室インを「んー別にいーやー」とやんわり笑顔で完拒絶のビリーさんと古墳の周りを見て回る。
そこで謎の住居を発見。「ひかる」と表札の書かれたその犬小屋に住人の姿はなく、近くには割れたガラスを石川遼のクリアファイルで強引に修繕したプレハブ小屋もあるが人の気配はない。
わーあ、カオス!

第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」
第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」
第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」

会長ら曰く、「思いの外中は広かった」とのこと。もう少し大人になったらあたくしもチャレンジしてみることにする。
井出丸山古墳、癒し系のお昼寝古墳でございました。

第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」

さてそこから更に車を走らせ、今度は静かな住宅地から路地に入り、更にマジかと思うほどの急傾斜の階段を延々と登ったところにある「北江間横穴群」。

第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」

だいぶ疲労がたまり始めた夕方の身体に鞭打って登りきったところで、突如目の前に巨大な「穴」が二つ現れた。これが横穴群・・・と思ったその瞬間、

「キャハハハハハハハ!!!!」

という聞いたこともない狂気の爆笑が辺りに響き渡った。・・・多分言うまでもないが、振り返るとやっぱうちの伊藤理事長だった。
どうやら横穴群出現のあまりの衝撃に感極まったらしい。横穴群の価値のなんたるかはさっぱりだが、伊藤壮のこのキレたタマネギ部隊のような反応を見ればこの遺物がどれだけレアなものかということはノンポリにも想像はついた。
そのまま脱兎のごとく横穴に駆け込む会長と理事長。いつもながらこの二人が古墳を見つけた時と、昔の某子供番組の最後に「さあみんな!オモチャの木へ行こう!」と言われた時の子供の反応はとても似ている。

「理事長、笑ってたね・・・」

とつぶやいたビリーさんの菩薩のような静かな微笑が印象的であった。
しかし近づいて中へ入ってみると確かに迫力があった。それぞれの巨大な穴の中には石棺が一つずつ安置されており、なんとも言えない畏怖的神聖な空気が漂っている。石棺に触れたり散策したり無理やりカメラでタイマー撮影を試みては何度も失敗しつつ、なかなか有意義な時間を過ごす。北江間横穴群様、お休みのところお騒がせいたしました。

第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」

そんなこんなでとりあえず予定していた古墳はほぼコンプリートしたところで今夜の宿のある修善寺へ向かう一行。宿では明日のライブ出演者のももづか怪鳥と合流の予定である。
伊豆の夜の部屋飲みを楽しみにしつつ修善寺についたところで、道路で突然の検問。
修善寺のお兄さんSaid
「この先で大きな火事がありまして、この先今ちょっと通れない状態です。」
Ohマジでか・・・風神か、また風神なのか・・・

第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」

辺りを見回せば、確かになにやら大勢の人が物々しく立ち回っている。宿泊施設街で昼頃に起こった火災で10軒以上全焼との情報もあり。
不幸中のなんとやら、我らが宿泊予定の宿は影響なしとのことで駐車場までの侵入を試みるも、消防車を取り囲んでいたやはり青年団らしき人々がウインドウ越しに声をかけてきては状況を逐一教えてくださる。修善寺の人たち、すごい親切。
そのうちなんとか先についていたももづか怪鳥と合流。まだ車では宿に入れないのでとりあえずチェックインだけでもと、怪鳥と理事長のまさかの異色コンビが宿へ走る。

二人を待っているうちにも修善寺の空は暮れ始め、夕闇へと色を変えていく・・・。
理事長から連絡が入る。
「宿には入れますが、停電していていつ復旧かわからないそうです。」
うっそぉーん・・・
今日中に落ち着けるのだろうか。無事に明日のライブを迎えられるんだろうか、動けない車の中で誰もが少しだけナーヴァスな気持ちになったその瞬間、今日一日美しい女性の声で我らのドライブを導いてくれた車のナビが突然喋った。

「モウスグ・・・日ガ暮レマス・・・」

わかっとるわッッ!!
てかなに?なにその機能!?なにその無駄な情緒感!やめて寂しくなるからッ!!
スピリチュアルなまでのナビのナイスすぎるバッドタイミングに驚愕で固まる面々。
まあ、こんだけディープなツアーに一日付き合わされてたら、そりゃナビも擬人化するわなとか妙なことに感心する逢魔が刻の伊豆修善寺物語。

その後、暗闇での部屋飲みが全員一致で決定し、近所のスーパーで買い出しを済ませてなんとか宿に収まった面々、停電中の真っ暗な部屋の中、みんなで懐中電灯でビールを飲むというなかなかレアな偉業を成し遂げる。それはそれで楽しかった。

第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」

その後の情報によれば本日の修善寺火災ではケガ人などはいなかったとのことで一安心。ヨカタヨカタ!
ヨカタついでに明日の極楽苑が、それは楽しい一日になりますように。素晴らしい30周年になりますように・・・
この夜、「真っ暗な廊下が怖い」と騒ぐヘタレ第一会員のために毎回トイレについてきてくれたまりこふん会長、ありがとうございました。
そんなさまざまな思いを抱いて眠る修善寺の夜。

そして・・・
数々の厄落としをし尽くした前日の濃厚な古墳巡りが功を奏したか、翌日はまた快晴。

第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」

相変わらず極楽苑は最上級のHELLで、スタッフの青鬼丸さんも華扇さんもご子息も素敵なFAMILYで、最高のトークと最強のライブもなかなかに盛り上がったイベントも想像以上に楽しく無事に終了いたしました。
極楽苑の皆様、まりこふん会長、伊藤理事長、タチハナ副理事長、クロスケさん、ビリーさん、ももづか怪鳥、はるばる来てくださった皆様、ただ極楽苑に来ただけなのに客席に捕まってしまった見知らぬお客様、沼津の風神さま、古墳たち、みんなみんなおつかれさま&サンクスアロットでございます!
ああ、濃ゆい2日間でありました。
また、今度は40周年記念で!

第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」
第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」
第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」
第三十三回「地獄極楽伊豆巡考(後篇)~混乱修善寺炎上篇」

ってことで、伊豆極楽苑開苑30周年記念イベントの様子はこちらで観られます♬
https://youtu.be/ix8Kq9edXC4