第一会員イチキ游子の古墳に混乱コラム

第四十回「黄金週間的非古墳散歩考」

投稿日:2017年5月10日

ながの無沙汰をいたしておりました。
改めまして、古墳にコーフン協会ノンポリ会員・イチキ游子と申します。
ここ数ヶ月は舞台に出演したりすげー風邪をひいたりと、もっぱら「免疫力の低下した女優業」に明け暮れておりました。

というわけで、季節は黄金週間。訳して略してGW。

ふと「天気もいいし、ここはひとつ映画でも観に行くか」などと思い立ったあたくし、すでに終わったと諦めていた某戦時ものアニメ映画が池袋でも限定上映していることを知り行ってみることに。

「池袋 久しぶりだな 池袋」

などと芸術的な一句を詠みウキウキしていたところに、突然デジャヴにも似た感覚でもう一句浮かんできた。

「池袋 古墳ねえかな 池袋」

ああああ!またか!またこの思考パティーンか!!

しかしサガには逆らえず素直に検索。

結論から言うと、池袋に古墳らしきものは見つからんデシタ。

しかし、一つだけ気になる場所を見つけた。

「池袋富士塚」

・・・富士塚、って確か前に会長に教えてもらたアレね。
古墳じゃなくて、それに登ったら富士山に登ったのと同じご利益があるってヤツね。

(とりあえず、映画観る前に散歩がてら行ってみるかね・・・)

というわけでみなさま古墳じゃなくてゴメンナサイの富士塚を訪れるべく、快晴の黄金週間最終日の朝、池袋駅に降り立ったノンポリ。
駅前は予想通りの池袋シティ、ホリデーに浮かれる世界人類でごった返していた。
富士塚のあるという「氷川神社」をマップで確認すると、池袋西口出てから異様なまでの一本道。

(いやいや、油断してはいけない。これまで「簡単そうな道」と甘く見て何度このマップに裏切られてとんでもアドベンチャーに巻き込まれてきたことか・・・)

と、てめえの狂った方向感覚を棚上げして用心深く歩き出すノンポリ。懐疑主義もここまでくるとほとんどトラウマである。

駅前からVシネの逃走シーンに出てきそうな場末の飲み屋街をゲリラのようにこそこそ歩き、駅前の国際的喧騒が夢だったかと思うような昭和臭漂う静かな住宅街を通り、横尾忠則先生が描きそうな見事なY字路を通過。

第四十回「黄金週間的非古墳散歩考」
第四十回「黄金週間的非古墳散歩考」

マップ通りひたすらまっすぐ30分ほど歩き続けたところで唐突に現れたのは大変に簡潔かつ説得力のある看板。

第四十回「黄金週間的非古墳散歩考」

「スゴいぞ!本当にまっすぐだった!氷川神社は本当にあったんだ!!」

とジ◯リ映画の少年が心で叫んだところで、びっくりするほど無事到着。

(すっげーいいとこじゃん・・・)

第四十回「黄金週間的非古墳散歩考」

抜けるような快晴のもと、立派な鳥居と朱に縁取られた美しい本殿がそびえたなんとも心地よい空間。

まずはお参りをと、煩悩と雑菌で穢れた手を手水で清め、小銭入れにあった「52円」という、なんだその額なお賽銭を投入し、賽銭箱の脇にあった唱え言葉を甘噛みしながら3回唱えてお参り完了。

第四十回「黄金週間的非古墳散歩考」
第四十回「黄金週間的非古墳散歩考」

さて、富士塚はと辺りを見回すまでもなく、本殿の真横にそれはあった。

第四十回「黄金週間的非古墳散歩考」
第四十回「黄金週間的非古墳散歩考」

なんて愛おしい石の集合体!
ノリのいいDJかと見紛うのけぞったような傾斜の上に、これまたノリで置いちゃったかのごとく様々な石碑や石像がランダムに配置され、絶妙なバランスを形成している。

明治45年築成。先述の通り、富士塚とは「いろんな理由で富士登山が出来ない人たちがこれに登れば富士山に登ったのと同じような霊験が得られる」というものだそうで、ぜひチャレンジしたかったがさすがに登るのはNG。

第四十回「黄金週間的非古墳散歩考」

しかし、眺めているだけでもなんとも心が清められる感覚に、しばしぼんやりと佇むノンポリ。

その日は境内がほぼ無人であったこともあり、まさに独り占めヒーリングスポット。

(いい散歩だったなァ・・・)

古墳じゃないけど、来てよかったなー。想いのこもった手作りってやはりスバラシデスネー!

ところで、鳥居をくぐった時からこれなんだろうと思っていた敷地中央の巨大な凸物が、土俵だったと知って

(あれ土俵だったんですね!ドヒョーン!)

などと心の中で、某通販文房具のCM的スベりを静かにかましながら氷川神社と富士塚を後にした。

第四十回「黄金週間的非古墳散歩考」
第四十回「黄金週間的非古墳散歩考」

皆様も是非、池袋シティへお出かけの際は富士塚へ♬

以上、このあと映画でめちゃくちゃ号泣したノンポリでございました。

第四十回「黄金週間的非古墳散歩考」