第一会員イチキ游子の古墳に混乱コラム

第十四回「堂々発売古墳散歩考」

投稿日:2014年11月20日

出た出たついに出た。

何が出たか…。お月さまでもなければあたくしの実家の母親が最近水栽培しはじめた大根の葉っぱのことでもない。

会長まりこふんと理事でイラストレーター・ヨザワマイの共著、日本初の古墳コミックエッセイ「東京古墳散歩」が11月18日、徳間書店からついに出版されたってハナシである。

第十四回「堂々発売古墳散歩考」

「まりこふんの古墳ブック」「古墳の歩き方」に続く第三弾は、ニッポンに生息する老若男女すべての人類が、本書をただ眺めるだけで楽しみながら古墳を知り、見る目が養われるという、まさに古墳版「目がよくなるマジ◯ルアイ」なのである。…ん、わかってる、いま例えを失敗したことは。

でもまーとにかく、わかりやすい。「古墳ってなに?」「誰が作ったの?」といった小学生級Q&Aから始まり、古墳の形の種類やら埋葬品もすべてイラストと会長まりこふんの私情満載のわっかりやすいキャプションで解説してある。

第十四回「堂々発売古墳散歩考」

さらに特筆すべきは本書の7割を占めるコミックページだ。
まりこふん×ヨザワマイ、独断と偏見でのみ古代を愛するエキスパート女子2人が各地の古墳を旅する妄想あふるる珍道中を、ヨザワ先生の読みやす過ぎるマンガでもって忠実に再現してある。ちなみに不肖・第一会員のあたくしも、時折隠れキャラとして登場させてもらってるので探して欲しい。個人的に。

第十四回「堂々発売古墳散歩考」

なんにせよ、可愛らしいイラストで展開するシュールすぎる彼女たちのやりとりは、読んでいるだけでまるで苦笑しながら2人のあとをついて一緒に旅をしているような気分になれる。
また、食べることが好きな2人が紹介する、各古墳近くの美味しいスイーツショップやらレストラン情報も充実しており、どちらを目的に出掛けてみても2倍楽しめるというお得感。

第十四回「堂々発売古墳散歩考」

そんな感じで一冊眺め終わる頃には、これまで「なんとなーく歴史で習ったけどなんだっけ」という対象だった古墳が自然に「知ってるもの」になり、「昔のエラいヒトのステキでカワイイお墓だっショ?アレ、近いじゃん、じゃ今度の日曜日にダチコと散歩がてら逢いに行ってみるっショ?」という、すっかり身近な存在として読者の友人になっていること必至。

もちろん、カノジョに趣味のウンチクを語りたいが残念ながら趣味がないという、世のミエッパリ男子にも、最適の裏ワザ的一冊であるとオススメしたい。

最後に、「まりこふん先生の古墳愛をヨザワ先生の漫画で読めるのは本書だけ!」という、少年漫画誌の右側ページっぽいことを言ってみたところで、あたくしもまさにいまページをめくりながら、「今度あすこに行ってみよう」なんてニヤニヤしてるわけなんである。

第十四回「堂々発売古墳散歩考」