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第一会員イチキ游子の古墳に混乱コラム

第四十二回「高級住宅街古墳冒険考・後篇」

投稿日:2017年8月14日

〈前回までのあらすじ〉

まりこふん会長の「温泉へ行こう」の一言につられ、まんまと成城学園の古墳アドベンチャーに連れ出された巻き込まれ系ノンポリ会員ことあたくし。
砧中学校での古墳群を堪能し、さていざ温泉!と浮かれてみたあたくしに、更なる試練(古墳)が待ち受けていた・・・!
※前回のお話(前篇)はこちらです。

・・・てわけで後篇である。今回も締切ぶっちぎってノンポリ、翔びます!メタ発言いえいっ!

砧中学校を後にして次なる目的地へ向かうまりこふん会長と私。
歩を進めるたびに成城学園駅前のハイソなイメージは影を潜め、なんだかだんだんと周辺素朴にのどかになってくる。言うなれば「成城学園」から「世田谷」になってくる感じ。わかるかなー、わっかんねえだろうなー。

次はどこかと尋ねると、とりあえずこの先に新たな古墳群があるというお返事。
ほほう、これまであたくしも素人仕事ながらネタ集めのために東京の古墳をあれこれリサーチしていたつもりだったが、ほほう、こんな近場の世田谷区にもまだまだ知らない古墳があるらしい。ほほう!(←もう言いたいだけ)

ところで、さっきから急勾配を歩き続けの道行二人、夏の初めの暑さもあってさすがに疲れてきた。
ので、通りがかりのコンビニ前で一休み。
と、その瞬間

(アレ、このコンビニ知ってる・・・)

そんな既視感に襲われて思わずあたりをキョロキョロするノンポリ。
なんだっけ、なんだっけ。見たよこの風景、いつ来たっけ、なんで来たっけ?
しかし、どう考えても生活の中で特段用事のあるエリアではない。
なんだろう、昔占い師に「職人でしたね」と言われた前世で見た光景だろうか、にしては地味だ、地味すぎる・・・。
気のせいかと思いながらもモヤモヤしたまま再び歩き出す。

第四十二回「高級住宅街古墳冒険考・後篇」

しかし、人通りもまばらな住宅街を通る間もやはり強くなってくる既視感。
その時、ひらめいた。

「ねえ会長、その古墳の近くになんか学校、ありません?」

すると会長はマップを見て

「あ、ありますね、喜多見中学校・・・」

あ!と、その一言で思い出した。そーだ、去年の春に来たんだ!一人で、古墳を見に!

あの時は自分で「世田谷区 古墳」でリサーチして行った古墳群。まさか再び訪れることになろうとは、そして会長よりもノンポリのあたくしが先に知ってる古墳が存在しようとは、ある意味レア古墳。
どうやら、今回のスタート地点の成城学園前駅と、前回のスタート地点の喜多見駅の交差点が例のコンビニだったらしい。

というわけで、当時のエピソードについてはこちらをご参照くださりマセ→第三十一回「春爛漫近場古墳巡考」

しかし今回、2度目だからつまらないなどということはなく、むしろ当時もかなりお気に入りの古墳ばかりだった記憶があるので、むしろリピ歓迎である。
確か、シュールな竹林の古墳があったはずと会長の後をついていくと、あったあった、あのとき一番好きだった「第六天塚古墳」。
相変わらず、人間に攻撃されたナウシカの王蟲のごとくびっしりと竹林に覆われたこんもりとした寡黙な古墳。

第四十二回「高級住宅街古墳冒険考・後篇」

あの時は外から眺めただけだったが、今回はマスターが一緒なので念願の登頂。うん、やっぱかっこいい。

第四十二回「高級住宅街古墳冒険考・後篇」

そのあと今度は打って変わって明るい敷地で丁寧に守られた「稲荷塚古墳」箱入り娘っぷり健在。

第四十二回「高級住宅街古墳冒険考・後篇」
第四十二回「高級住宅街古墳冒険考・後篇」

などなど、前回見たものは一通り見て回ったが、一箇所だけ前回スルーしていたのが「慶元寺」という立派なお寺の中にあるという古墳。

第四十二回「高級住宅街古墳冒険考・後篇」

森閑とした境内を見て回ればそれらしい形跡もあったが、どうやら本命の古墳は塀に囲まれたスペースにあるらしくその日は踏み入れず、小柄なまりこふん会長が爪先立ちで木戸の隙間から悲しげに中を覗く姿は、やっぱりアメリカ映画の女囚のようだった。

第四十二回「高級住宅街古墳冒険考・後篇」

しかしお寺だけでも行く価値あると思える隠れたヒーリングスポットでもあったので個人的には大満足。

第四十二回「高級住宅街古墳冒険考・後篇」

そんなこんなで今度こそ、この度の古墳巡り無事終了。
そこから徒歩で悲願の温泉付き銭湯へ行き、1日の疲れと日々の業を洗い流し、缶ビールで乾杯する世田谷の夕暮れ。

第四十二回「高級住宅街古墳冒険考・後篇」

巡った古墳を思い浮かべながら冷たいビールを流し込み、ああ、なんだかんだ言っていい1日だったなぁと思っていたらふと、

(古墳ビール、って語呂がいいなぁ)

とも、なんとなく思った。

だからなんなんだ・・・乙!

第四十二回「高級住宅街古墳冒険考・後篇」